第一巻
桐壺 帚木 空蝉 夕顔 若紫
末摘花 紅葉の賀 花の宴 葵
賢木 花散里 須磨 明石
2100円
第二巻
澪標 蓬生 関屋 絵合 松風
薄雲 朝顔 乙女 玉鬘 初音
胡蝶 螢 常夏 篝火 野分 行幸
藤袴 真木柱 梅が枝 藤の裏葉
1700円
第三巻
若菜(上) 若菜(下)
柏木 横笛 鈴虫 夕霧
御法 幻 雲隠
2100円
第四巻
匂兵部卿 紅梅 竹河 橋姫
椎本 総角 早蕨
2600円
山折哲雄先生ご推薦の文
日本文化と仏教
日本を代表する宗教学者 山折哲雄先生の『日本文化と仏教』講演要旨が『仏教文化』107号(平成16年)にありましたのを転載させていただきます。
『源氏物語』 といえば私たちは学校時代に触れるわけですが、 ほとんど古文の文法を学ぶための教材としてです。 ですから面白くも何ともない。 そのためか、 谷崎潤一郎、 与謝野晶子、 円地文子、 瀬戸内寂聴らによって現代語に翻訳されています。 しかしそこで使われる言葉は不思議なことに、 すべて標準語、 共通語です。
ところが最近京都言葉で翻訳され、 『京ことば源氏物語』 のカセットとして大修館から販売されています。 翻訳した人は中井和子先生という方です。 その朗読を一行聞いただけで、 それまでの源氏物語からは感じられなかった王朝時代の雅な世界がさーっと目の前に広がるような感動を受けました。 「ああ、 やっぱり王朝文学は京言葉だな」 と。
京言葉にも何種類かあり、 中井さんは室町の中でも上の言葉、 すなわち御所言葉が一番純粋な京言葉であることを突き止めた。 そうしてそれを今に伝えている人を尋ね歩いた結果、 尼門跡寺院に探し当て協力を仰いだということです。
尼門跡寺院というのは天皇陛下の内親王によって代々守られてきたお寺です。 そこには京言葉だけでなく、 素晴らしい宗教芸術も守り伝えられていることが最近、 アメリカ人の研究によって分かってきました。 宗教と芸術、
信仰と美というものは背中合わせということです。