京都 12月5日(平野の家 若菜上其の二)
12月11日(武蔵村山市 夕顔)
目に近く移れば変わる世の中を
行く末とほく頼みけるかな
風流な程度に柔らこうなったお召物に
えもいわれぬ匂いを焚きしめてお渡りやすのを
お見送りやすのは ほんまに
心穏やかではいられぬことどっしゃろ
(若菜の巻 上 より)
若菜 上 その二 あらすじ
正月、玉鬘による源氏四十歳の祝宴があり、若菜が献上された。
二月十日過ぎ、六条院に女三宮が降嫁、盛大な婚儀が三日間続いた。紫の上は独り寝の眠れぬ夜を重ね、不安と苦悩を深めてゆく。一方、源氏は女三宮の幼さに失望し、紫の上が夢に現れたことに不安を感じ上のもとに戻るが、二人の心は解けあわない。源氏は女三宮から届いた返歌のあまりの稚拙さにこの結婚を後悔し、朱雀院の宮への教育を批判する。朱雀院は山寺に移り、源氏と紫の上への消息に宮を思いやる親心を見せる。
朱雀院の出家に伴い、二条の宮に退出し仏道に心を傾けようという尚侍(朧月夜)の君を、源氏は見過ごすことができない。紫の上には末摘花の見舞いと偽って訪ね、一夜を過ごす。紫の上は朝帰りの源氏の様子を察し、一層心を閉ざすのだった。
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いよいよ始まりました源氏物語第二部。本来11月公演でしたが、10月の能楽堂公演からまもなく、また秋の行事で会場を押さえることが困難でありましたので、今年の締めくくり公演として12月に開催することとなりました。
会場は7月と同じく、平野神社のちかく受け継がれてゆく京都の財産として「京都を彩る建物や庭園」に選定された「平野の家 わざ 永々棟」にて語らせていただきます。
「平野の家 わざ 永々棟」は、大正から昭和に活躍した日本画家・山下竹斎の邸宅兼アトリエとして大正15年に建てられた伝統的木造家屋を、古き良き大正・昭和初期の時代が香る建築として改修した建物です。数寄屋大工の伝統技術を駆使しながらも現代の時代に合うものが随所に盛り込まれています。弥生には素晴らしいお雛様のコレクションもみせていただけます。二階の大広間には御簾が掛けられ、舞台となる六条院御殿の一室に思いをかさねてお聞きいただけたらと思います。尚、今回ご覧頂けるのは二階のお部屋のみです。
十二月十一日(土) 武蔵村山市 【夕顔】
昨年お声がけ頂いて出演させて頂きました、武蔵村山市民会館 さくらホールにて、今年も源氏物語をお聞き頂けることになりました。
今回は「夕顔」の巻を語らせていただきます。
17歳の源氏の君がふとしたことから出逢ったたおやめ夕顔の君は、そのころ通っていた愛人六条御息所を忘れさせるほど魅力的なひとでした。六条御息所の霊感は源氏の心を敏感に察知し、自尊心を傷つけられた屈辱とともに嫉妬の念が脹らんでゆきます。
12月11日(土) 午後2時開演 (1時開場)
全席指定、前売り1000円 当日1200円
お問い合わせ/御予約は御電話にてどうぞ
042-565-0226(武蔵村山市民会館 さくらホール)
サイト情報
https://www.musashimurayama-sakurahall.jp/event/9869/