京都 3月23日(宝蔵寺)、
4月27日(亀岡桂ホール)、
東京 4月19日、20日(アトリエ第Q藝術)
源氏物語第三部 宇治十帖 四十七帖【総角】其の二
三月二十三日 (日)
絶えせじのわがたのみにや宇治橋の
はるけきなかを待ちわたるべき
なまじい近うまで来て
素通りして帰っておしまいやしたのをひどい方とも
口惜しいとも思われるので
余計ものあわれな御様子でござります。
「総角」より
総角 其の二 あらすじ
妹中君の幸せを思い、自分に娶せようとする大君の心を知った薫は一計を案じ、八月末に匂宮を伴って宇治へ赴き、中君に引き合わせる。二人は結ばれたものの、案に相違して大君は薫に対してますます心を閉ざす。一方、匂宮は中君を愛おしく思うが、身分がら宇治通いがままならず、姫君姉妹が心を痛める中、九月十日にようやく薫と連れだって来訪した。
十月、匂宮は紅葉狩にことよせて宇治を訪れたが、母后が殿上人など大勢の者を差し向けて同行させたため、中君に逢えないまま京へ戻ることを余儀なくされた。匂宮は軽率な行動を窘められ、左大臣の六宮との縁談が強引に進められた。
大君は、匂宮が心変わりをしたのかと、また、父宮の遺言にそむいた上に妹君を不幸にしたと思いつめ、病の床につく。そして結婚拒否の思いも深まってゆくのだった。
今回は 伊藤若冲の菩提寺 裏寺町通りにある「宝蔵寺」様本堂での開催です。
伊藤家の墓参も可能です。(若冲本人のお墓はここではありません)
宝蔵寺さんは、若冲画の髑髏の墨絵の御朱印が有名です、今回は置き書きの御朱印のご予約も承ります。当日お寺様にてお受け取り下さい。予約がないとご迷惑になりますので必ず予約をしてください。
京都亀岡での連続語り会、今回は 第七帖【紅葉賀】を語ります。
京を離れて・・・
第十二帖「須磨」
渚に寄せてくる浪が
またかえって行くのをおみやして
「うらやましうも」と請じといやすのは
昔から世に伝わる古ごとではおすけど
耳新しうきかれて
一途に悲しうお供の人も思うのどす
第十二帖 須磨 あらすじ
朧月夜との情事が発覚したことで立場が悪化、後見する東宮に累が及ぶことを恐れた源氏は、自ら都を去り須磨での謹慎を決意する。左大臣家、藤壺をはじめ親しい人々に別れを告げ、紫の上に財産、領地を託した。源氏二十六歳三月のことであった。
海辺での侘び住まいに源氏を憂鬱の日々を送る。五月雨の頃にはやりきれない思いを都との文のやり取りで紛らし、仲秋の月に清涼殿での管弦の遊びを思い出し、夜半目覚めては海鳴りに涙し、昼間のつれづれに辺りの様子を絵にしては詩や歌を書き添えた。
明石に住む入道は源氏の噂を聞き、娘を差し上げたいと願う。年が変わり桜が咲くと紫宸殿の桜を恋しがっていると、三位中将が、右大臣勢力の目も顧みず源氏を訪ねてき、束の間の再会に友情を深める。
三月上巳の日、海辺で祓えを執り行った矢先に嵐が起こり明け方に源氏はぞっとするような夢を見る。
自ら赴いた須磨。世のはかなさと孤独を憂う源氏に応えるのは、ただ波の音だけでした。初めて味わうわびしい日々 源氏が見つめる先には・・・・今回も長い巻ですが、都の花と闇から隔たって、自身を見つめる源氏の姿に美しいものを感じます。